最近は、あらゆる製品に半導体部品が組み込まれるようになり、電気電子業界のみならず幅広い業界で回路シミュレーションが利用される機会が増えてきています。そのため、多くの回路設計の現場で、様々な回路シミュレーションツールが活用されるようになりました。
その中でも、EDA業界で最も代表的な回路シミュレーションツールである“SPICE (Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis, スパイス)”は、回路設計プロセスにおいて不可欠な設計最適化ツールとして、社会の発展と共に飛躍的に進化してきました。もしSPICEという回路シミュレーションツールが無ければ、今の技術の発展や製品の小型化、高速化は実現することはなかったでしょう。
さて、この回路シミュレーションにおいて重要なファクタが2つあります。ひとつは、シミュレーションの心臓部ともいえるエンジン部、そして回路を構成する電気部品の「モデル」です。
ロールプレイングゲームに例えてみましょう。
ゲームの筋立てが面白くて、サクサクとプレイできるゲームであっても、登場するキャラクターの魅力がないと、ゲームそのものの面白さも半減してしまいます。回路シミュレーションにおいても、シミュレータというソフトウェアが素晴らしくても、使用する電気部品モデルの精度が低いと、思うような結果を得ることは難しくなってしまうのです。
近年の電気製品の小型化、高速化と開発スピードの短縮を実現するためには、このような回路シミュレーションを活用することは必須であり、その精度を求めると電気部品モデルの重要性もいわずもがな、ということになります。
モーデックは創業以来、半導体のデバイスモデリング事業において、数多くのモデリング実績を積み上げてまいりました。そして、そのモデリング技術をベースに10年前からは、電気回路上の部品モデル事業にも進出、現在は、このようなオンボード部品のモデル流通サービスをサブスクリプションで多くの企業に手軽にご利用いただけるサービスも展開しております。
モーデックの強みは、創業以来培ってきた『モデリング技術』です。ディスクリート部品から、高機能ICまで幅広い種類の電気部品モデルを手掛けております。特に高機能ICのシミュレーションモデルは、回路シミュレーションでもキーコンテンツであり、簡単に作成することはできないため、お客様からのニーズが非常に高まってきています。
さて、本記事では、SPICEに関連した技術情報をまとめました。
・SPICEに興味はあるけど、どこから着手したらよいかわからない。
・そもそもモデルって無料のものと有料のもの、どう違うの?
・シミュレータを使う評価・解析ってどうやるの?
等々の疑問にズバリお答えします。
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