ミリ波ソリューションの概要
ミリ波(millimeter wave)とは、その名の通り波長が1~10mmで周波数が約30~300GHzの電波を指しています。近年では、自動車のADAS(先進運転支援システム)に欠かせない車載レーダー(24/26GHz,79GHz)や5G無線通信(28/39GHz)の分野での活用が進んでいます。
図は2020年6月に総務省が提示した6Gへのロードマップを示しています。5G通信の10~100倍の高速化と大容量化を達成するために、テラヘルツ(THz)の利用を視野に入れたさらなる高周波の技術開発が求められています。
ミリ波のデバイス/モジュール開発では、波長に比例して扱う部品やレイアウトも小型化する必要があり、umオーダの実装技術が必要になります。また波長に応じて治具、部品、レイアウトおよび材料の寄生成分の影響も大きくなるため、高精度なデバイス/モジュールの性能評価のために特殊な手法が必要になります。
モーデックは、ミリ波/テラヘルツ波帯の高精度モデリングのご要望に応えるため、誤差補正技術を初めとしてパートナーと共に日々技術力の研鑽を積み、下記ソリューションのご提供を行っております。
ミリ波アプリケーション例
- 60GHz Wireless LAN:Speed 7Gbps
IEEE802.11n (2.4GHz) / .11ac (5GHz) / .11ad WiGig (60GHz) - 衝突防止レーダーシステム
- 超高速デジタル通信 次々世代メモリ (LPDDR5)
- Transceivers for backbone systems
主な実績
- 国内研究機関向け高速デジタル (10Gbps超) モデリング
- 国内研究機関向け光学系システム (10Gbps超) モデリング
- subTHz / THz測定・モデリングにおいてNICT(独立行政法人 情報通信研究機構)との共同研究(続行中)
- 国内企業向け60GHz帯ワイヤレスLAN (WiGig) デバイスの測定・モデリング
etc.
ミリ波ソリューションを支える技術
ミリ波対応デバイス向けモデリングの高精度化のため、モーデックは日々技術力の研鑽を行っております。
ミリ波対応デバイスの測定・モデリングに係るモーデックの技術ノウハウの一端をご紹介します。
TEGデザインアシスタンス
ミリ波ディエンベディング技術
- マルチフィンガーMOSFET
- 受動素子
- 伝送線路
- ベンド
- ショートスタブ、オープンスタブ など
測定
- DC特性の自動測定 : ~67GHz (Max:110GHz)
- 大信号、ノイズ測定 : Pout vs Pin、相互変調歪 (IMD) 、RF-DC電力変換、1/fノイズ、NF 他
- 全方位プローバー : DUTに対してあらゆる方向から針(プローブ)が接触できるプローバー
モデリング
- BSIM4モデル(周波数ばらつき特性を含んだ)をベースとしたミリ波サブサーキットモデルのモデリング
- Ft,Fmax,H21,MSG / MAG,U-gain,Kfactorなどの分析
- PCM / WATデータを使用した統計解析モデリング
- 伝送線路を含むあらゆる素子のスケーラブルモデリング など
ミリ波パッシブコンポーネントモデリング
インダクタ、コンデンサ、抵抗、伝送ライン、ビアなど全てのパッシブコンポーネントをミリ波アプリケーションに合わせてモデル化いたします。
必要に応じて、スケーラブルモデルも開発いたします。
シミュレーション
- 各種シミュレータに関するノウハウの保有(例:Spectre,Eldo,HSPICE,GoldenGateなど)
- ライン、パッド、ビア、パッケージ、コネクタなどのボード向けEM+SPICEシミュレーション など
ミリ波回路検証と必要に応じたモデルへのフィードバック
ミリ波回路検証、測定結果に基づく理論的解析や考察を通じ、必要に応じてミリ波モデルの修正を実施いたします。