事例

モーデックが過去に実施したコンサルティング、モデリング、
設計支援の実績の一部を抜粋しています。

Model On! サービス導入事例 No.1

複雑な機能を有する『コイル一体型降圧DC/DCコンバータ』モデルの活用と派生品モデルの作成

グローリー株式会社
抱えていた問題
大量の部品モデルをそれぞれ個人で管理していた
使用した
モーデック製品
Model On!

問題点

グローリー株式会社での電気設計に関して、回路シミュレーションに対する取り組み状況

弊社では、30年以上前からspice系の色々な種類の回路シミュレーションを使っていましたが、一部の設計者しか使っておらず、それに使用する部品モデルは個人管理でした。 その後2015年からは電気設計の品質向上と効率化に向けて、シミュレーションの精度に影響する部品モデルを共有し、だれでも同じシミュレーション精度が得られるようにする活動を進めてきました。 SPICE活用例やモデル入手例を以下に紹介します。

<回路シミュレーションの活用>

  • 新回路構想時の動作確認
  • 新回路設計時の部品の妥当性確認、バラツキ確認
  • 新回路確定時の設計検証
  • 設計変更時の設計検証
  • 回路不具合の調査、対策検討 図1参照

<目的>

電気設計の品質向上と効率化

LED発光回路の応答性不具合対策の事例

2015年から進めていた回路シミュレーションの活用として、まず不具合調査と対策を施した例を紹介します。図1左側が理想回路Simの結果ですが、実機では応答性が悪い結果が得られました。
実機の結果をSim上で再現するために、U3のリークが増えたと想定して抵抗(R8)を追加し不具合の再現したものが、図1中央となります。
また、U3のリークが増えても応答性が悪くならないための対策として、図1右側のようにsim上で抵抗(R10)を追加した検証を行い、その後実機に対策を施すことができました。

図1

解決策

MoDeCH社ライブラリの利用(1)

2019年からMoDeCH社とModel On!の契約を開始し、ICモデルやDiscreteモデルの調達を進めてきました。( 図2参照)
ICモデルはデバイスのデータシートからモデリングする技術で、コイル一体型降圧DC/DCコンバータXCL214B103のモデルも入手できました。図右側は動作検証した結果です。
複雑な機能を有しているので納品時には動作異常が確認されましたが、フィードバックした後にサポートいただき、迅速に解決しました。 (図3参照)
図2図2
図3a 対象 IC の内部構成図3a 対象 IC の内部構成
図b図3b

MoDeCH社ライブラリの利用(2)

MoDeCH 社から納入された部品モデルから、その IC のシリーズ品のモデルを作成した事例です。
MoDeCH 社作成の TLV1117CKVURG3(出力電圧可変タイプ)モデルは暗号化されていますが、それを利用して TLV1117-50C(出力電圧 5V 固定タイプ)の派生品モデルの作成に成功しました。
図4 作成したモデル 図4 作成したモデル
図5 TLV1117CKVURG3(出力電圧可変タイプ)のSim結果 図5 TLV1117CKVURG3(出力電圧可変タイプ)のSim結果
図6 TLV1117-50C(出力電圧5V固定タイプ)のSim結果 図6 TLV1117-50C(出力電圧5V固定タイプ)のSim結果

MoDeCH社への要望とMoDeCH社からのご提案

ご要望
複雑な機能を有する『コイル一体型降圧DC/DCコンバータ』モデルの活用と派生品モデルの作成

納入される部品モデルは、データシートを元に機能的な等価回路や数式で作成されているせいだと思いますが、現物のデバイス特性を表しきれない箇所があります。例えばコンバータICにトランジスタ内蔵の場合など、です。実現するためには測定を交えたモデル化などが必要と思われますが、実機動作により近いモデルを作成して頂けたらありがたいと思っています。

ご提案
MoDeCH社

受託サービスとして実物の測定及び、測定結果に合わせこんだモデリングにより、実機により近いシミュレーションモデルの提供が可能です。