表 1.モデルベース開発 解析対象に応じたモデル言語

表1は、モデルベース開発で電気回路から機械+電気システムまで解析対象のシステムに応じて使用されるモデル言語を示しています。モーデックはこれらの言語を使用したモデリング・サービスをご提供しておりますが、特にEV,HEVで使用される電気系のモデリングでは、長年培ったデバイスモデリング技術により下記の例にあるように様々なご要求に応じたソリューションをご提供可能です。

電動化に必須のインバータやDC-DCコンバータなどを構成するパワーデバイスは高精度なSPICEモデルを提供可能ですし、システムレベルではVHDL-AMSにより様々な抽象度のモデルを提供いたします。また、Simulinkなどの制御モデルについてはお客様の設計資産を生かして因果系と非因果系を接続する技術を提供可能です。さらに現在、VHDL-AMSを用いた熱解析の実証も進めており、電気と熱の連成解析のソリューションもご提供できる予定です。

実際のモデル化にあたっては、どういうシミュレーションをどのような時間・精度で実現するのか、お客様の要望をヒアリングしながら適切な粒度や言語でモデル化できるよう、仕様の作成を支援します。

モデリング技術紹介

(1)電気系モデル作成例:モデル作成言語:VHDL-AMS、SPICE、その他

EV、HEVなどの電動化向けモデリング技術として電気系との親和性の高いVHDL-AMSでのモデリングを主として、詳細なモデリングにはトップレベルの技術を持つSPICEモデリング技術を提供します。モデリングは必要に応じて詳細度を変更することで精度と解析速度を変更可能です。

●モデル詳細度による解析時間検討例

・SPICEモデルとデータシート・モデル例

図1は、車両のパワートレインシステムをVHDL-AMS言語とマルチドメインシミュレータを用いて解析した例を示しています。

図1‐Aは、インバータに使用されているパワーMOSFETを詳細度の高いSPICEモデルで記述し、解析を実施した例です。この解析時間を基準に、パワーMOSFETモデルの詳細度を変更して解析時間の検討を実施しました。図1‐Bは、このパワーMOSFETのモデルをデータシートの数値から生成したVHDL-AMSテーブルモデルに変更し解析した例で、SPICEモデルに比べて数倍高速に解析できます。


図1.システム解析におけるパワーデバイスのSPICEモデルとデータシート・モデルの速度比較
・スイッチモデル例

図2は、図1-BのデータシートMOSFETモデルをVHDL-AMSの理想スイッチモデルに置き換えた場合の解析例で、さらに約20倍の高速化が可能です。


図2.システム解析におけるパワーデバイスのSPICEとスイッチモデルの比較

(2)モデル接続技術:MATLAB/Simulink設計資産の活用、FMI(Functional mockup Interface)

お客様がお持ちのMATLAB/Simulink制御モデル資産を生かしたシステムモデリングが可能です。また、最近脚光を浴びているFMIにも対応可能です。下図はModelica系ツールで作成したACG(オルタネータ)、バッテリモデルをFMIで生成したFMU(Functional Mockup Unit)をアダプタと呼ばれる因果―非因果変換I/Fを使用して非因果系であるVHDL-AMSツールに読み込みした例です。


図3.Simulink,FMUモデルとVHDL-AMSモデルとの連成解析例

解析実績、対象ソルバー

・ハイブリッド車用ブレーキシステム

図4.ハイブリッド車の回生ブレーキシステム解析例

 

ハイブリッド車には回生ブレーキと油圧ブレーキがあり、さらにABS、TRC、ESCといった様々なシステムが人間のフットブレーキに関わらず、電子制御でブレーキをかけています。弊社では単純化のためブレーキ制御ECUが協調制御した油圧指示をリニアソレノイドバルブ与えられるという前提でブレーキシステムのモデル仕様作成からVHDL-AMSでモデリングを実施しました。また油圧系だけでなく、ポンプやアクチュエータで消費される電力も同時に計算可能なモデルを構築しました。

図5.モデルブロック図

・対象ソルバー

  •  Ansys TwinBuider (VHDL-AMS、Modelica、FMI)
  •  Mentor XepetionAMS、SystemVisonCloud(VHDL-AMS、回路シミュレーター)

上記が解析実績ですが、ご要望に応じて対象を拡大いたしますのでご相談ください。