自動車等の市販モデル1台の解析は大規模モデルとなります。
限られた解析資源(ワークステーション性能)と許容される解析時間の制約の中で、車両のEMC解析を実現するには車体モデル構造のリダクション手法を構築するなど、多くの課題があり、そのため数年間に渡る研究期間が必要になります。

モーデックは、実測と高い相関性を維持したまま車体モデルをリダクションする技術構築のためのアプローチ手法をご提供しております。 この手法は、有限要素法ソルバーのメッシュエラー回避・メモリ消費量の低減、およびFDTD法ソルバーのメッシュ数低減(*1)に寄与し、実測とシミュレーションを車両開発において実用的な相関性で実現します。

また、市販車両解析の前ステップとして、簡易構造の実機車両開発やパラメトリック解析が可能なシミュレーションモデルの開発支援を行っております。
図1は簡易構造車両モデルの事例です。 このモデル例では、31点の座標ポイントを代数で定義しており、お客様の手で希望される車両寸法のモデルを瞬時に作画可能であるとともに、特定の寸法を可変することで、アンテナ受信特性や車載ワイヤーハーネスとの電磁結合状態の変化等をパラメトリックに解析することができます。

以下に、本モデルを使ったガラスアンテナのFar-field指向性解析事例を紹介します。

*1) メッシュ数低減により、解析時間が短縮されるだけでなく、解析サイズの大型化や解析寸法の詳細化が可能になります。

図1. 簡易構造車両モデル 図1. 簡易構造車両モデル

図2は本モデルに採用したFMループアンテナの反射特性です。 国内/海外周波数帯で5dB以上のリターンロスがあるアンテナ特性としました。
この特性の合わせ込みは、アンテナ寸法の数か所をパラメトリック解析して求めました。

図3は、当該アンテナの80MHz(アンテナロス最大周波数)のE-fieldを示したものです。 本解析では実施してませんが、車室内の金属(シートなど)・リアガラスの設置されたデフロスターとの電磁結合状態を可視化することができ、従来のEMCエキスパートによる経験的アプローチから、シミュレーションによる定量的な可視化アプローチが可能となります。

80MHzにおけるアンテナのFar-field指向性を図4に、70-110MHzのFar-field指向性(φ=0°)を図5-1に、同じくFar-field指向性(θ=90°)を図5-2に示します。
実際のアンテナ受信性能は外部から平面波を照射しなければ適正な特性は解明できませんが、アンテナ配置による指向性変化や、車体構造による受信強度低下の様子を可視化することができます。

以上、 簡易車両モデルによるFMアンテナのFar-field解析事例を紹介しました。

モーデックは、”車両規模のEMC解析モデル構築” 、 ”簡易モデルによるパラメトリック解析” 等の技術構築とともに、開発現場にサステイナブルに定着可能な開発プロセス構築についてもご支援致します。

図2. FMアンテナ特性 図2. FMアンテナ特性
図3. E-filed@80MHz 図3. E-filed@80MHz
図4. Far-filed@80MHz 図4. Far-filed@80MHz
図5-1. Far-filed指向性(φ=0°)@70-110MHz 図5-1. Far-filed指向性(φ=0°)@70-110MHz
図5-2. Far-filed指向性(θ=90°)@70-110MHz 図5-2. Far-filed指向性(θ=90°)@70-110MHz